はじめに
新しい命が生まれる妊娠・出産はうれしい反面、さまざまな費用がかかります。
補助金などで賄えるものがあるものの、交通費や通院費用など自己負担するべきものも多いです。
そこで活用したいのが確定申告。
出産費用も確定申告で医療費控除が受けられるのをご存じですか?
本記事では出産費用の確定申告で節約する方法を詳しくご紹介します!
医療費控除とは
さて、その前に医療費控除についてみていきましょう。
そもそも医療費控除とは世帯全員の年間医療費の合計が10万円をこえた場合に、翌年の確定申告によって税金が還付されるという仕組みです。
夫婦共働きの場合、いずれかがまとめて還付申告できるようになっています。
また、出産育児一時金が42万円支給されるので、医療費控除の対象になりづらくなっていますが、少しでも可能性があるなら領収書などをきちんと残しておきましょう。
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確定申告の医療費控除について【計算方法などわかりやすく解説】
出産費用も医療費控除の対象に
意外と知られていないことですが、妊娠や出産に関わる費用も医療費控除の対象になります。
実際にもらえるわけではないですが、医療費がかかった翌年に確定申告を行えば、還付金がもらえる場合があります。
誰が申請するか
医療費控除は世帯全員の医療費を年間トータルして計算することができますが、所得が最も高い人がまとめて計算してもかまわないと決まっています。
たとえば、夫婦共働きの場合、より収入が多く所得税率の高い方が申告した方が還付金が多いのでオトクです。
ただ、生計を同じくしている世帯の中で年金生活をしていている人がいる場合、その人が申告した方がオトクな場合もあります。
その理由は年金生活者のほとんどは年間所得が200万円に満たないので、所得の5パーセントの適用が可能となり結果的に還付金の額が多くなるからです。
医療費控除の申請は年末控除では不可能
わざわざ確定申告で医療費控除の申請をしなくても会社員やパートなら年末調整でできるのでは?と思う人もおられるでしょう。
年末調整とはさまざまな控除について申請することで、払いすぎた税金を取り戻せる制度です。
控除の中には配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除…などがあります。
これと同様、年末調整で医療費控除も手続きできると勘違いしがちですが、実際には不可能です。
残念ながら、医療費控除は年末調整ではなく確定申告を行い自分で申告するしかありません。
医療費控除の申請期間
では医療費控除を申請できる期間はいつなのでしょうか?
通常2月16日~3月15日までの間に確定申告すると決められています。
ただ、医療費控除だけの申請の場合、この期間に関わらず1月から受付可能です。
どうしても確定申告の時期は税務署が混み合うため、1月の間に申告しておくことをおすすめします。
出産費用で医療費控除の対象になるもの・ならないもの
では、ここから具体的に出産費用の中で医療費控除に含まれるものをご紹介していきます。
出産に関わる費用は意外と多く、妊娠中の定期検診代や出産後の入院費など全て自己負担です。
自治体の中には補助券などを発行していて費用を賄えることがあっても、年間でかかった費用をトータルすると10万円を超えてしまうのは確実です。
医療費控除の対象になるもの
・定期検診代
・通院時の交通費
・分娩日
・入院費
・入院中の食事代
・出産時のタクシー代
医療費控除の対象にならないもの
・妊娠検査薬
・通院にマイカーを使う際のガソリン代
・マタニティ用下着やウェア
・入院の際に必要な持ち物代(パジャマや洗面用具など)
・里帰り出産費用
通院の際バスや電車に乗ると領収書がないことが多いですが、これらはきちんとメモに残しておき、後で説明できるようにしておきましょう。
また、これは医療費控除の対象になるのかどうか?と迷うことも多いでしょう。
そういった場合は国税庁の税についての相談窓口などを利用すれば教えてくれるので安心です。
確定申告のやり方
さて、年間の医療費の合計が10万円を超えたら確定申告を行いましょう。
必要者書類は税務署でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードしましょう。
年間に支払った医療費の合計金額を記入した上、医療費控除証明書に医療機関ごとに名称や受診した人の氏名、金額などを書き込んでいきます。
なお、国税庁のホームページの確定申告書作成コーナーを使えばネット上で確定申告書を作ったり、必要書類の作成ができるので利用すると便利です。
もちろん、無料で利用できるのでチェックしてみてくだいね!
※確定申告はクラウド会計ソフトが安くて便利です
まとめ
出産費用を医療費控除で節約する方法をお教えしました。
出産には多額の費用がかかります。
たとえ補助金がもらえたとしても、うまく医療費控除を利用すれば税金を取り戻すことも可能です。
一見、医療費控除の仕組みは難しそうですが、ここでご説明したことである程度知識を身につけて頂けたかと思います。
これから妊娠、出産を予定している方はぜひご参考になさっていただければと思います!