はじめに
個人事業主のみなさんは日々のお金の出入など、さまざまな方法で記帳されているかと思います。
この記帳の主な方法に単式簿記と複式簿記があるのをご存じでしょうか?
個人事業主の方にとって、どちらの方法を行うかによって納める税金の額も変わってきます。
ここではそんな記帳の仕方のうち、簡易簿記について書き方などを詳しくご紹介します。
単式簿記とは
そもそも単式簿記とはお小遣い帳や家計簿のように、〇〇を300円で購入した…などと、1つの取引を1つの項目で帳簿つけする方法です。
たとえば、売り上げが30,000円あったとすると、収入が30,000円で残高がいくらと書くだけ。
また、摘要欄にはお金の動きを記入し、収入と支出の欄に金額を書くだけで済む、簡単な記帳方法です。
また、残高についても収入引く支出で計算できるため、全く簿記の知識がない方でも簡単も始められるのが特徴です。
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※複式簿記の書き方はこちらです
複式簿記の書き方を理解しよう【個人事業主必見】
単式簿記のメリット
さて、この単式簿記のメリットにはどういうものがあるのかと言うと、
記帳が簡単
なんと言っても、単式簿記の最大のメリットは記帳が簡単ということです。
簿記の知識がない個人事業主の方でも、単式簿記なら慣れればすぐに作成でき、貸方や借方などの知識は必要ありません。
日ごろの業務で忙しい個人事業主の方にとって、帳簿付けは面倒で手間と時間のかかる作業です。
家族が帳簿付けしてくれる場合ならまだいいですが、全て自分でやるとなると本業に支障が出ないとも限りません。
ですが、単式簿記なら手間と時間がかからないので、本業に全力を注ぐことができます。
全く帳簿付けが初心者という方はまずはこの単式簿記からチャレンジしていただき、その後しばらく経ってから複式簿記に挑戦していただければと思います。
さらに、個人事業主の方で仕事を始めたばかりで所得が多くない方や副業などでまずは白色申告で確定申告を行うという方も、単式簿記で全く問題ないでしょう。
単式簿記のデメリット
現金の増減理由が把握できない
単式簿記だと、どうして預金が増えたり減ったりしたのか?という増減の理由が把握できません。
なので、通帳の取引の内容を見て個別の入出金の明細を見るしかないでしょう。
また、年間を通じてトータルでいくらくらい通信料を払ったのかなどということが把握できないので、これを知るためにはわざわざ別に集計しておく必要が出てきます。
個人の取引だと年間の取引量は知れていますが、売り上げが上がり取引が増えてくるとかなりの手間になるのは間違いなさそうです。
現金が動かない取引は記帳されない
また、掛けでものを買ったなど実際に現金が動かない取引の場合、その取引を記帳することがないのもデメリットです。
単式簿記の場合、預金の増減やその結果残高がいくらになったのかは分かっても、それ以上は把握できません。
儲けた金額が分かりづらい
さらに、お金の増減の理由が把握できないということから、実際にいくら儲けたのか分かりづらいです。
商品やサービスを売り上げた場合に入金した際もちろん売り上げ代金となりますが、借り入れ金により入金した場合は売り上げではないため、儲けとはなりません。
これらの違いを区別するのは非常に重要なものの、単式簿記のだと単に入金扱いとなってしまいます。
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単式簿記の書き方
それでは単式簿記の具体的な記入方法をお教えします。
たとえば、1/5にパソコン1台を120,000円で購入したとしましょう。
さらに、1/10に現金を50,000円引き出したとします。
その後、1/20にクリアファイルを600円で購入したと仮定します。
この時、現金出納帳に記入するのは
日付と適用出金金額と残高です。
つまり、
1/5 パソコン1台、出金が90,000円残高がいくら、1/10に現金引き出しと適用の欄に書き、50,000を出金の欄に書きます。
1/20日の日付で適用の欄にクリアファイルと記入し、出金の欄に600円と記入すればいいだけです。
さらに詳しく説明しますと、
・日付
取引を行った日付を書きます。
・適用
取引内容が分かるよう明確に記入します。
・入出金
現金が減ったら出金、増えたら入金金額を記入します。
・残高
前取引の残高に入金金額をプラス、出金金額をマイナスし書きましょう。
このように、簡易簿記なら勘定科目を記入する必要がないので、初心者でも簡単に作成できます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
単式簿記は非常に簡単に記帳でき、初心者でもすぐに取り組める方法です。
帳簿付けに割く時間がないという個人事業主の方にとってありがたい方法ということが言えるでしょう。
ですが、それ以上にデメリットが多いため将来的に複式簿記がオススメです。
初めて確定申告をされる個人事業主の方はとりあえず単式簿記で慣れていただき、その後ぜひ複式簿記にチャレンジしてみてくださいね!
また、最近では最近では無料で試せる会計ソフトなどもあるので、そういったものを利用するのもいいでしょう!