はじめに
最近、ネットで気軽にオンライン取引を行う方が増えています。
でも、きちんと確定申告について理解されている方は多くないようです。
当たり前のことですが、株式投資で年間を通じて利益が出たら納税しなくてはなりません。
そのために必要な手続きを確定申告と言いますが、これを怠ると余計な税金を払う羽目になります。
本記事では「株式投資」と「確定申告」についてなるべく分かりやすくご説明しています。
せっかく株式投資で儲けても余計な税金を払い損をしないために、きちんと確定申告について理解するようにしましょう!
株式投資にかかる税金
そもそも、株式投資にかかる税金にはどういったものがあるのかと言うと、利益が出た場合その売却益に譲渡益課税、配当金には配当課税が、それぞれ20パーセント程度かかると決まっています。
ただ、ほとんどの人は特定口座の源泉徴収ありを選んでいるため、確定申告にかかる面倒な手間は全て証券会社がやってくれます。
特定口座と一般口座
そもそも、株式投資を行う場合2種類の口座が選べることになっています。
特定口座と一般口座で、特定口座の方は株や投資信託で生じた利益や損失を証券会社が全て管理してくれる口座のことです。
この口座を選んだ場合、年間取引報告書が取り引きしている証券会社から送付されます。
ただ、特定口座を作れるのは1つの証券会社で1口座と決まっており、源泉徴収ありとなしが選べます。
源泉徴収ありを選べば、確定申告の手間が省けて便利です。
では、一般口座に全くメリットがないのかと言うと、デイトレードなどを行う方など、非課税状態でトレードできるというメリットがあります。
ただ、一般的な株式投資を行う場合ほとんどメリットはないでしょう。
NISA口座とは
次に、最近よく耳にするNISA口座についてですが、これは一定の金額までならその口座内で利益が出ても課税されない特別な口座のことです。
この口座を使えば、年間120万円までの投資に対して生じた利益や配当金に税金がかかりません。
通常、株式投資で利益が出た場合20パーセント課税されますが、この口座を使えばそれが必要なくなります。
ただ、この口座にもデメリットがあり、それは損失を通算できないということ。
通常、株式投資で生じた損失は3年間繰り越すことができます。
これを株式譲渡所得から控除できるのですがNISAだと利用することができません。
こういった点を踏まえた上でNISA口座を利用するようにしましょう。
株式投資で確定申告した方がオトクなケースとは
上でも書いたとおり、特定口座で源泉徴収ありを選んでいれば、基本的に確定申告の必要はありません。
ただ、確定申告した方がオトクなケースがあります。
年間で損が出た場合
たとえば、200万円で株式を購入し150万円まで下がってしまったため売った…という場合、50万円の損失になります。
翌年別の株式を100万円で購入し160万円に上がったところで売却すると、60万円の利益となります。
この場合、どちらの年でも確定申告を行えば通算することができるため、トータルで10万円の利益となり、その10万円にだけ課税される…というメリットがあります。
複数の証券会社で利益と損失が出た場合
また、別のケースとしてはある証券会社で取り引きし30万円の利益が生じ、別の証券会社で取り引きして30万円の損失が生じた場合、トータルで利益が0という計算となり課税されません。
株式投資の確定申告で必要な書類
特定口座
特定口座源泉徴収なしを利用して株式投資を行い確定申告を擦る場合、確定申告書に年間取り引き報告書をつけ提出します。
また、複数の証券会社で特定口座または一般口座を利用しているなら、それぞれに年間取引報告書、取得費や取得または損失、譲渡収入などが書かれた合計表を付けることで、損益計算が可能となります。
なお、年間取引報告書については特定口座をお持ちの方に開設年以降、1月末までに証券会社から送られてくるので保管しておきましょう。
開設した年以後、毎年1月末までに、証券会社から交付されます。
一般口座
次に一般口座を利用している方に必要な書類は確定申告の際書類の添付の義務はないものの、税務署が求めた場合は取引報告書などが必要になることもあります。
ですので、取引報告書などの書類は念のために保管しておきましょう。
なお、上でご紹介したとおり特定口座で源泉徴収ありを選んでいる場合は全て証券会社が代わりにやってくれるからいいですが、損失が出た場合は自分で行うしかありません。
申告に必要な書類はさまざまなので、前もって税務署などで確認しておきましょう。
株式投資の確定申告はクラウド会計ソフトを使うと便利です。
まとめ
株式投資の確定申告について分かりやすくご説明しました。
一般的に株式投資を行っている方のほとんどは特定口座の源泉徴収ありを選んでいるはずです。
ただ、場合によっては確定申告の必要があったり、した方がメリットがあったりするため、ある程度の知識を身につけておきたいもの。
ここでご紹介したことが、みなさんが確定申告する際のお役に立てばと思います!