はじめに
みなさんは貸借対照表、損益計算書という言葉をご存じですか?
この2つがどうして必要なのか分からないまま、ご自分の会社の経営状態を把握するのは難しいです。
ここではそんな、貸借対照表と損益計算書についてそれぞれから読み取れること、概念の違いなども含めご説明しましょう。
会計の基礎知識としてぜひ身につけておいてくださいね!
貸借対照表とは
まず、貸借対照表(バランスシート)とは、企業のある時点の財政状態を資産と負債、純資産から把握できるものです。
つまり、貸借対照表を見ることで、会社が決算の時点でどのような資産を持ち財産の元となるお金をどう集めてきたのかを知ることができます。
さて、貸借対照表に流動という言葉があります。この流動とは1年以内に現金化できることを意味します。
特に中小企業ではすぐ支払いに充当できる資産、中でも現金があるかどうかがポイントです。
貸借対照表において、まずは流動資産についてみてみましょう。
流動資産の中でも特に現金化しやすいのが現預金と受取手形、売掛金および有価証券と言われる当座資産です。
これらは運転資金として使用できるものの、受取手形や売掛金については現金化できるのがいつなのか知っておく必要があります。
次に、棚卸資産ですが、これは在庫のことを意味します。
いずれ現金化するものですが、支払い資金として充当できるとは限りません。
資産の下部にある固定資産には建物や機械、土地などの項目があるかと思いますが、これらは会社が利益を出すため必要不可欠ではあるものの、それ自体お金にするのは困難なものです。
次に、負債の部に移りましょう。
まず、流動負債についてです。
支払手形、買掛金、短期借入金のどれも支払いを早急にする必要があるもので、これがあまりに多いと現金が流出しやすい状態と言えるでしょう。
もし、あなたの会社の流動府さんに対する流動資産の比率があまりに低いと、お手持ちの現金が不足する事態に陥るかもしれませんので注意しましょう。
次に、固定負債についてですが、そもそも、固定負債とは1年を超え返済する必要がある負債のことで、長期借入金(銀行からの借入金)や自社発行の社債などがこれに当たります。
純資産とは会社に対し株主が入れてくれた資金や利益の積み上げのことで、返済や支払い義務がありません。
さらに、資本金とは株主から会社に払い込まれた出資金のことで、事業を行う上で元手になる資金を言います。
資本剰余金は株主からの出資金の中で資本金に入れなかったものを積み立てたものです。
最後に利益剰余金ですが、これは前期までの利益と当期純利益を合算したものです。
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貸借対照表(バランスシート)の読み方【図解付きです】
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損益計算書とは
さて、次に損益計算書についてご説明しましょう。
損益計算書とは会社がある一定の期間にどれだけ利益や損失を出したかを表すものです。
収益から費用を引き、プラスが出れば利益となり、マイナスになると損失ということになりますね。
まず、最初の利益は売り上げ高から売上原価を差し引いた売上総利益。
売上原価とは売った商品の製造費や仕入高のことを言い、売上に直接かかわった原価のことです。
次に営業利益。
これは本業で稼げる力を表したものです。
次は本業以外の力を含めたトータルの実力を示した経常利益です。
最終的な利益を表したものが当期純利益となりますが、利益と一言で言ってもさまざまなものがあるということがお分かりいただけたかと思います。
つまり、単純に利益が増えたということでなく、損益計算書においてどの利益が増えたのかをしっかりと把握することで、その会社の実力を知ることができるわけですね。
逆に、利益が減ったとなれば、どの利益が減ったのか把握すればどの部分が弱点なのかを知ることが可能です。
貸借対照表と損益計算書の概念の違い
さて、では貸借対照表と損益計算書の概念の違いは何かと言うと、ストックとフローの概念の違いということです。
分かりやすく言えば、ある時点でどの程度コップに水が溜まっているのかがストックで、その水がどこから入ったのかを区別することが大切です。
貸借対照表ではある時点でどの程度の資産があり、人のものか自分のものかを明確にする役割があります。
いっぽうで、フローはと言うと、ある一定の期間で水がどの程度増減したかという概念。
コップに水が入ることを収益ととらえ、水が減ることを損失と考えるのが損益計算書の役割です。
つまり、ストックと比べフローは期間中どのくらいの増減があるのか見ることに意味があります。
まとめ
貸借対照表と損益計算書について科目ごとにご説明してみました。
それぞれどういったものなのか、どんな違いがあるのかお分かりいただけたでしょうか?
今後会社を大きくしていこうとお考えの方やご自分が働いている会社の財務状況を知りたいという方にとって、これら2つと向き合うことは大切です。
ぜひ、ここでご説明したことを理解していただき、あなたの会社の貸借対照表と損益計算書を読み取ってみてくださいね!