はじめに
個人事業主や年内に退職した方、無職や転職活動中の方など、国民健康保険にご加入かと思います。
このような国民健康保険料を払っている方が確定申告で申告すると、国民健康保険料の控除が受けられるのでしょうか?
答えはイエスです。
ここではそんな、確定申告時に受けられる国民健康保険料の控除について基礎知識も含めお教えしたいと思います。
国民健康保険と社会保険の違い
まずは国民健康保険と社会保険の違いについてまとめてみました。
国民健康保険
国民健康保険の目的は病気やけがをした時、じゅうぶんな治療が受けられるよう加入者それぞれの所得に合わせて保険料を支払い助け合う制度です。
なお、日本では国民全てが何かしらの公的な医療保険に入る制度、国民皆保険制度が設けられています。
会社員の方は会社の健康組合に加入することがほとんどですが、自営業の方や年度内に退職したり、転職活動中の方などは国民健康保険に加入する必要があります。
そのため、国民年金保険料を支払うことになりますが、この保険料は確定申告の際控除が受けられます。
なお、国民健康保険は国が運営しているのではなく、地方自治体が運営しています。
加入する方法は住んでいる市区町村役場に行き手続きするだけです。
社会保険
いっぽうで、会社員の方が加入する社会保険は一定の従業員がいる企業が属する協会けんぽが運営している健康保険のことで、企業に健康保険料を払うと企業から協会けんぽへ保険料が支払われます。
確定申告で健康保険料の控除を受けられる人
さて、ではどういう場合に確定申告で国民健康保険料の控除が受けられるのでしょうか?
年末調整をし忘れた人
会社員の方などは年末調整するかと思いますが、年末調整していない場合や、し忘れた場合、申請する必要があります。
そもそも、給与所得がある人が勤務先で年末調整した場合、すでに社会保険料控除が適用されているからです。
個人事業主や転職活動中の人
確定申告で健康保険料の控除対象の人に個人事業主、転職活動中、無職、年内に退職した人の4つが該当します。
これらの人は国民健康保険の被保険者になるため、確定申告の際控除が受けられます。
※クラウド会計ソフトなら控除申請が簡単にできます。
領収書や控除証明書について
領収書は必要ない
確定申告の際、国民健康保険料を支払った証拠となる領収書は必要なのでしょうか?
確定申告の際健康保険料の控除を受けるのに領収書は特に必要ありません。
申告用紙に納付額を記入するだけでかまいませんが、納付書や口座振替を利用する方に納付済み確認書を郵送する地方自治体もあるようです。
さらに、市区町村役場の窓口で申請書を提出、身分証明書を提示すれば無料で払い込み確認書をもらえるところもあるようなので、お住まいの自治体の税務課で聞いてみるといいでしょう。
控除証明書も必要ない
確定申告の際、社会保険料控除を受けるのに控除証明書が必要だと思われています。
この控除証明書とは納税した人が支払った税金を控除してもらうために必要な書類です。
ただ、生命保険料控除や地震保険料控除などでは必要であるものの、国民健康保険料の場合は必要ありません。
国民健康保険控除を確定申告する流れ
確定申告を行う場合、自分で計算して申告書を提出し還付または納付する必要があります。
確定申告の際に提出する書類には会社員など給与所得者が年末調整で国民健康保険料の申告をし忘れていた場合、確定申告書Aの第1表と第2表、さらに勤務先からもらった源泉徴収票が必要です。
書き方について言うと、源泉徴収票を見ながら第1表と第2表を埋めていきます。
さらに、国民健康保険料の支払い済みの金額を第1表、第2表に記入していきましょう。
最終的に国民健康保険料の還付のための申告書ができているかどうかチェックし、還付金の受け取り方法を記載しましょう。
なお、郵送の場合源泉徴収票を添付し税務署に郵送します。
必要な書類は税務署に置かれていますし、手引きなどもあるはずなので行った際に税務署の担当の方に聞きながら書類を作成すれば、その場で正確に申告書が出来上がり、提出ができます。
もし、税務署に行く時間が取れないという場合も国税庁のホームページかでe-Tax を使えば自宅で確定申告書が作成できるので便利です。
国民健康保険料控除を受けるための注意点
当たり前のことと言えばそうですが、そもそも国民健康保険料を支払っていない場合国民健康保険控除を受けることはできません。
確定申告で国民健康保険控除の申請をする場合、支払い済みの保険料に対して控除の申請をするからです。
まとめ
確定申告時に受けられる国民健康保険料の控除について詳しくご説明させていただきました。
今まで社会保険だったのが国民健康保険に加入した…などの方は国民健康保険料の控除を受けるのが初めてでしょう。
せっかく確定申告で控除が受けられるのにやらない手はありません。
ぜひ、今年の確定申告で国民健康保険料の控除を受けていただき、少しでも税金を還付してもらってくださいね!