はじめに
確定申告とは一定以上の所得がある方が納付すべき所得税を計算し申告するものです。
会社を退職したけれど、この確定申告が必要なのかどうか分からないという方は多いでしょう。
会社員時代は勤務先が年末調整してくれるので必要なかったものの、退職後は必要かどうか判断しづらいものです。
そこでここでは、退職した人に確定申告はそもそも必要なのか、どんな人に確定申告が必要か、必要書類にはどのようなものがあるかなど、詳しくお教えします!
退職後の確定申告をスムーズに進められるようご参考になさってくださいね。
退職後の確定申告は必要か
一般的に会社員の方は年末調整で払いすぎてしまった所得税を取り戻すための手続きを勤務先が全てやってくれるので、確定申告は必要ありません。
ですが、年度の途中で退職した場合などは、年末調整を行ってもらえないことが多いので自分で確定申告を行い、還付申告するしかありません。
つまり、退職後の確定申告は「必要である!」と言いきれます。
還付申告の期限
通常、確定申告で所得税の還付申告を行う期間は2月16日~3月15日となっています。
※2019年はカレンダーの関係で2月18日(月)~となります。
ただし、退職後の方が所得税の還付申告を行う場合これとは関係なく1月1日から申告可能です。
また、申告期限も5年以内となっているため安心ですが、なるべく早めに申告する方がいいでしょう。
退職後確定申告が必要な人
退職後会社に属さず12月末にいたった方(転職先が決まっていない)
このパターンが最も多いかと思います。
転職しようと退職したものの年末までに転職先が決まっていない場合、確定申告する必要があります。
もし、12月初旬に会社を辞め次の年の1月から転職先で働くようになった場合でも確定申告の必要があるため注意しましょう。
定年退職、結婚退職し年末まで会社に属さない方
また、定年退職や結婚退職などでその後長期間にわたり働く予定がない方も確定申告の必要があります。
年末の時点で会社に属していないので年末調整を行っていないからです。
起業などで退職した方
これも上と同様で、サラリーマンを辞め個人事業主になったり、会社を立ち上げた方も毎年確定申告する必要があります。
また、勤務していた会社で年末調整を行っていなければ、新しく立ち上げた事業の所得と合算し、確定申告しなければならなくなります。
※クラウド会計ソフトなら申告書の作成が簡単です。
退職後確定申告するメリット
ご自分が退職後確定申告する必要がある人に当てはまっていると分かってはいても、手続きが面倒だからと言って二の足を踏んでいる方もおられるでしょう。
ですが、きちんと確定申告すれば次のようなメリットがありますので、ぜひチャレンジしてみてください!
払い過ぎた所得税が戻ってくる
退職後確定申告を行えば、払いすぎた所得税が戻ってくる可能性が高いです。
ただ、所得税を還付してもらうために申告することは義務付けられていませんし、非常に手間がかかるため、還付される額と手間や時間とのバランスを考え、やった方がメリットが多いと思えば行うといいでしょう。
住民税や国民健康保険料の金額が下がる
なお、確定申告で所得が確定すると、翌年の住民税や国民健康保険料の金額がここから算出されます。
サラリーマン時代は給料天引きされていましたし、社会保険だったため会社が半分負担してくれていたはず。
ですが、退職後は全額自分で負担する必要があるため、その負担はかなりのものです。
確定申告で算出された所得金額によって住民税や国民健康保険料の金額が安くなるなら、やらない手はありませんよね?
老後の生活や結婚後の生活を考慮すれば、確定申告するメリットありそうです。
退職後の確定申告に必要な書類
さて、退職後の確定申告のメリットをご説明したところで、次に必要書類についてお教えします。
源泉徴収票
まず、勤務していた会社から源泉徴収票をもらっておきます。
この書類を見れば、その年の給与や賞与の他に所得税の厳選徴収額や社会保険料の金額などが読み取れます。
もし、退職の際に勤務先からもらっていない場合は送ってもらうといいでしょう。
もし、会社が倒産したなどの場合は発行してもらえないので、税務署で届け出をする必要があります。
各種控除証明書など
他に必要な書類として
生命保険や損害保険料の控除証明書
医療控除のための領収証
国民年金控除証明書
住宅ローン控除のための年末借入残高証明書
などがあります。
書類の作成方法については国税庁のホームページにある確定申告申込書等作成コーナーを活用したり、確定申告の時期に行われる自治体主催の無料相談会などに行ってみるといいでしょう。
まとめ
退職した人に確定申告は必要なのか、当てはまる人、メリットや必要書類などについてお教えしました。
確定申告は面倒で時間のかかる手続きですが、それ以上にメリットも多いことがお分かりいただけたかと思います。
ここでご紹介したことを参考にしていただき、ぜひ退職後の確定申告、行ってみてください!